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はじめに

 本サイトは日本人のためのアメリカ就職マニュアルである。基本的には日本で社会人の経験を持ち、アメリカの大学院を卒業した技術系の人を対象としているが、そうでない人(学部新卒、MBA卒)にとっても大いに参考になると思う。日本の就職本はごまんとあるが、日本人のためのアメリカでの就職本はほぼ皆無と言ってよい。あっても評論家視点のコンセプトどまりで、具体的に何をすればよいのか書かれていない。これは、日米で就職活動をしたノウハウを持つ著者が少ないからだ。そんな経験から、俺自身の実体験に基づいて、何をすればよいのか、詳細なステップを記した。このサイトは単なる事後感想でも自慢話でもなく、純粋な作業手順書だ。現在進行形でアメリカで就職活動を手探りでやっている人に取っては、助け舟になると思う。

 俺が日本の会社を辞めてアメリカに来たのは、飽きたからだ。俺には忍耐力がない。日本社会は現在でもそれなりに終身雇用だ。定年退職するまでの安定と引き換えに、窮屈な企業体質に終わりなきストレス生活を送っている人は多い。日本の企業でやっていくには、忍耐力が必要なのだ。俺は仕事も楽しかったし、充実した会社生活を送っていたのだが、10年後、20年後の自分が見えてきたときに同じ場所に居続けることに不安を覚え外の空気を吸いたくなった。日本国内で転職するのもいいが、もっと刺激が欲しい人は一度アメリカに行ってみるのもいい。アメリカは、普通に暮らしている分には田舎の後進国にしか見えないが、一旦会社に入ってみると別の世界が広がっている。アメリカがナンバーワンと言われる所以も理解できるようになるだろう。日本の組織でしか働いたことがなければ、何が普通で何がおかしいのかわからないが、外に出てみるともっと客観的に日本の組織運営を見れるようになる。アメリカの大学院、特にMBAを卒業した人のほとんどが帰国する現実があるが、せっかくアメリカに学びに来たのだから、机上で学んだことをアメリカ企業で実践してみるのもよいと思う。インプットとアウトプットはワンセットだ。アメリカかぶれに聞こえるかも知れないが、俺はアメリカンスタンダード=グローバルスタンダードだと思っている。アメリカで通用すればヨーロッパでもアジアでも通用するだろう。しかしジャパンスタンダードは日本でしか通用しない。大企業の駐在員として海外に渡るならそれもさほど感じないだろうが、個人として成立したいならあまり長く日本の会社にいるのはお勧め出来ない。今の俺が経験しているように、おっさんになってから海外に渡ってもアメリカの流儀にうまく適応できずに苦しむことになる。俺は2000年の日本、2009年のアメリカ、どちらも不況の中で就職活動をしたから日米の考え方の違いがよくわかる。このサイトでは、日本の常識をベースにどのようにアメリカの流儀に合わせていけばよいかを書いた。最後に一つ断っておくと俺は秀才でもなければ優秀でも何でもないただの凡人だ。どっちかというとアホだ。アメリカの大学院でも会社の研修でもクラスでビリを経験している。そんな落ちこぼれの俺でもどうにかなったのだから、根性さえあればナントカなると思う。Good Luck!!

<総合成績>



◎インプット
応募社数: 265
応募ポジション数: 773
リクルーター履歴書配信: 4,117

◎アウトプット
電話面接: 8
対人面接: 3
合格: 3
合格率: 3 ÷ 265 = 1.1%

<就職活動の流れ>


(1)履歴書、カバーレター作成
(2)求人サイト、人材会社への登録(プル作戦)
(3)応募、フォローアップ(プッシュ作戦)
(4)面接
(5)交渉

アメリカにおける就職活動は大きく分けて上記のような工程になる。そしてこの工程は順を踏む必要がある。TOEFLの後にGREがあり、その後にエッセイ作成作業に入ったように、これらの作業はステップバイステップで行っていく必要がある。以下、順を追って説明する。


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