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3. 応募

 プル作戦では求人サイトに餌を置いておく、もしくは人材会社やリクルーターに自分の存在を知らせておくことによって向こうから自分にアクセスしてもらうように仕掛けておいた。これは前述した通りとても強力なのだが、それだけでは当然駄目だ。与えられるばかりでは、自分の希望の会社には永遠に行けない。肉食動物のようにこちらから目当ての獲物に対してアグレッシブに攻撃を仕掛けるべきだ。


3-1. 会社調べ

 米系の企業にこちらから攻撃を仕掛けるという心の準備は出来た。しかし、では誰に仕掛ければいいのか。そもそもどこの会社に行きたいのか?という訳で最初にアメリカの会社というものを知る必要がある。日本では価値観が一様だから「就職人気ランキング」なるものが確固として存在し、東京一極集中で歴史のある東証一部上場の大企業に人気がある傾向がある。そこで大学生は皆こぞって大企業を受験しまくるのである。下手したらより人気のある企業に受かった方がエラい、みたいな空気すらある。では、アメリカではどうなのか。ここは日本と違って価値観は多様化しており、誰もが一斉に大企業を受験しまくるなんて文化はない。就職人気ランキングというものが全く存在しないかというとそういう訳でもないし、ぐーぐるやマイクロソフトが人気があるのは事実だが、皆クラスメート達は日本人みたいに知名度を気にすることはまるでなく、地元でそこそこの給料が出るところを見つけて就職していく。アメリカでは会社名よりはカネの方が気になる。日本企業では給与や待遇に会社間の開きが少ないから、新卒時点でカネを気にする人は多くない。世界のトヨタ自動車に入社したって、中小企業に入社したって最初は誰でも月収20万から30万程度である。しかしここアメリカでは、最初からいとも簡単に3倍、5倍の開きが出るし、ベネフィットだって会社によって大きく異なるのである。そんな中、俺は数少ない就職ランキングサイトを調べたりソフトウェアの大手企業を調べ、行きたい会社のターゲティングを行った。このあたりは時間を十分にかけてぐーぐるしまくろう。結果として、全61社を3つの志望群に分類した。


第一志望群
  • Apple
  • Cisco
  • Dell
  • Google
  • HP
  • IBM
  • Intel
  • Microsoft
  • Oracle
  • RedHat
  • SAP
  • Sony
  • Sun Microsystems
  • Symantec
  • Yahoo!
第二志望群
  • Infosys
  • Motorola
  • Sony Ericsson
  • Siemens
  • Avaya
  • Intuit
  • NetApp
  • Consona
  • Borland
  • GE
  • Nortel
  • VMWare
  • Adobe
  • Amazon
  • AT & T
  • EDS
  • Lenovo
  • Nokia
  • Phillips
  • Unisys
  • Boeing
  • EMC
  • AMD
  • Palm
  • eBay
  • NVIDIA
  • Toshiba America
  • Juniper Networks
  • TCS
  • Wipro
  • West
  • Alcatel-Lucent
  • Canon
第三志望群
  • Avanade
  • BMC Software
  • Western Digital
  • Texas Instuments
  • QUALCOMM
  • T-Mobile
  • Verizon
  • Sprint
  • Citrix
  • Salesforce.com
  • Trend Micro
  • Comcast
  • 3COM

3-2. 応募作業

 会社を調べて、行きたいところが少しずつ具体化して来たら、あとは撃つべし!撃つべし!撃つべし!応募方法には会社のホームページから直接応募する方法と、(2)-1で述べた求人サイト経由で応募する方法とがある。後者で行う場合、結局個々のホームページに飛ばされる場合もあれば、単純に求人サイトに登録している履歴書がそのまま普通のメールでその会社宛に送られるだけのケースがある。メールで送るだけだと、進捗もまるでわからないし信頼性にかけるので、行きたい会社に応募するときは必ず会社のホームページから応募しよう。


3-2-1. 会社のホームページから直接応募する

 会社のホームページには大抵"Career"というページがある。辿っていくと、ほとんどの場合はアカウントを作成するように言われる。ユーザ名、パスワードを決めて登録する。次に名前とか住所、希望ロケーションや雇用形態、学歴、職務経歴等々を入力させられる。ここで、前職での仕事内容を入力させられることがあるので、自分で書いた後必ずアメリカ人の友達に英語のチェックをしてもらうようにしよう。アメリカの大学院を複数校受験したことのある人ならわかると思うが、受験システムが学校によって同じアプリケーションを使用していることがあったように、会社の受験システムもアプリケーションを共有していることが多い。その場合、入力内容がほとんど同じだったりする。だから適当な英語をその場だけ書いても後から何度も何度も同じような状況が出てくるので、最初からキレイな英語を使って入力しておこう。例えば俺の場合、前職のJob descriptionを求められた場合には以下の記述を入力した。

"My responsibility as a systems engineer at ABC Limited was to manage call center system building projects and make them go well within schedule, budget and of great quality. It included project scoping, planning, system design, development, testing, migration, and sustaining in accordance with standardized system development methodology. I experienced 8 mission critical large projects for a variety of industries throughout Japan in 7 years. Not only was I required to have analytical, problem solving, communication and relationship management skills, but also broad and in-depth technical skills including hardware, OS, database, network, programming and complex call center infrastructure."

カバーレターを登録するときには注意が必要だ。日本では会社につき普通一つのポジションしか応募しないが、アメリカでは日本と違って一つの会社で複数ポジションに応募することは一般的だ。そして、カバーレターを登録するとき、応募システムによってはポジション毎にカバーレターが送られることもあるし、全ポジションに一つのカバーレターが送られてしまうこともある。前者であれば、ポジション毎にカバーレターをカスタマイズ出来る。例えば、Taleoというシステムはこのタイプで、多くの会社が使用している。(例えば、Dell、HP、Adobe、Accenture、Avanadeなど。)後者であれば自分の応募するポジション全てに共通するような書き方にしなければならない。くれぐれも別のポジション宛のカバーレターが届かないように注意すること。応募し続けていれば要領がわかってくる。応募システムによってはスキル入力などに異常に時間をかけさせられるものもあり、とても骨が折れる。応募する仕事の探し方は、キーワードで検索してヒットした仕事の詳細を読み、決める。俺の場合まずは"Japanese"で検索する。勿論、多くはない。第一志望から第三志望群の中で、勤務地アメリカ、職種IT系、キーワード"Japanese"でヒットした会社は、Yahoo!、Amazon、VMWareくらいのもんだった。勤務地がUSA以外であればそれなりにヒットしたのだが。。(Microsoft=ドイツ、HP=中国、IBM=中国、Intel=マレーシア、Cisco=日本、Google=日本、などなど。。)とにかく、日本語で勝負出来るものは勝負し、全くヒットしない会社については"Java"で勝負することにした。これはアメリカ人と全く同じ土俵に立つということであり、ほとんど勝ち目はない。しかし、駄目元でその二本柱でやってみることにした。このように仕事検索をしながら、プロフィール入力、お気に入り管理、パスワード管理をやっていると平気で30分から1時間はかかるから、根気よく頑張ろう。第一志望から第三志望までの61社に対してこの作業をやっていくのには一週間近くの時間を要した。


3-2-2. 求人サイトから応募する

 直接応募するやり方では、時間と労力がかかり過ぎる。行きたい会社に対してはいいが、知らない会社に対しては最小限の労力でボリューム勝負しよう。これまで一歩一歩着実に来たあなたも、ここから先は気持ちを切り替えてやみくも作戦で攻めよう。アメリカでは"Job Hunting is a Numbers Game."と言われることがあるが、暗闇に向かって履歴書を投げまくれば、どこかにヒットするだろうというテキトーな作戦だ。このやり方に異論を唱えるアメリカ人もたまにいるが、そんな奴に限って就職活動をマトモにやったことがない。気にしないでガンガンやろう。既に職があって時間があるならまだしも、外国人の我々が限られた時間で最大の成果を出すにはとにかくこれしかない。そしてそれを実現するのが求人サイト経由で応募するやり方だ。求人サイトとは、(2)-1で述べたDice、CareerBuilder、Monster.com、Yahoo! hotjobs等のサイトを指す。では、この海のように広大なジョブマーケットにどのように切りかかるか。俺はまず"Japanese"で検索。これで無限にあったジョブマーケットは数え切れるレベルになる。あとは一件一件見て、というか見なくてもいいからとにかく応募する。基本的にカバーレターの内容は同じだ。日本語用のテンプレートから会社名、本社所在地、日付、職種名などを変更するだけだ。それを一通り全ての求人サイトで実施する。この作業をやると、同じ仕事が複数の求人サイトに掲載されているのを発見し、しばらく見ているうちに日本語マーケットを見切ったような気持ちになってくる。少なくともそういう気持ちになるというのは重要なことだ。広大な海の範囲が見えてきたということだ。日本語マーケットへの応募が終わったら、次は別の角度で海に切りかかろう。俺の場合は、"Java"だ。ただし、検索キーワードがこれだけだと、依然として海は無限のままだ。例えば、Diceで試してみると海全体で51,569件ある。これに"Java"で検索すると9,329件に減る。しかしこんなに応募してられない。数え切れる数になるまで減らす。例えば、勤務地だ。州をカリフォルニア州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ワシントン州に限定すると、4,021件に減る。まだまだだ。更に"Oracle"を追加して1,373件、"Servlets"を追加して190件、あとは一件一件見ていってもいいし更にキーワードを追加していってもいい。一旦切り口を考えたらその範囲でのカバーレターは共通だ。テンプレートを作成して必要最低限だけ修正すればいい。テンプレートには本社所在地を記載するが、日本の会社と違って会社のホームページを見ても本社所在地がわからないことがある。Hooversというサイトやぐーぐるを駆使して調べよう。1件応募するのに10分程度で済ませよう。あとはとにかく撃つべし、撃つべし、撃つべし!


3-3. フォローアップ

 行きたい会社に応募した後、名も知らない会社に向かってNumbers Gameに明け暮れる日々が続く。たまに電話があるが、大抵、自分で応募した件でなく自分の履歴書を求人サイトで発見したリクルーターからだ。電話で連絡が来るのは大半がプル作戦のOutcomeであり、プッシュ作戦のレスポンスはメールで連絡が来るのが特徴だ。適当に対応しながら、行きたい会社から連絡を待つ。しかし、一向に連絡はない。二週間、三週間経ったところで諦めの境地に入ってくる。。大抵、相手が反応すれば直ぐに連絡がある。例えばYahoo!は応募当日に連絡が来た。数週間経って連絡がないなら、恐らくキミの履歴書は担当者の興味を引かなかったということだ。では、だからといってすぐに諦めるのか。いや、やれることは何でもやろう。とにかく自分に出来ることは全てやっておくことが重要だ。では、何をやるのか。フォローアップだ。フォローアップには二通りのやり方がある。メールと電話だ。


3-3-1. メール

 こちらは比較的簡単だ。テンプレートを作成し、然るべき宛先に送信するだけでよい。リアルタイム・コミュニケーションではないので緊張も少ない。まず、テンプレートについて。ぐーぐるしてもあまりヒットしなかったがいくつか発見したため、俺はそれらを組み合わせて以下のような文面を作成した。

"Dear Hiring Manager:

On August 16, I submitted my applications for the Architect position, and I just wanted to follow up to make sure my resume was received.

My strong technical background appears to be an excellent match to the qualifications you are seeking, and I am very interested in this opportunity. I can help you in several key areas, I can certainly help you in getting the results you're looking for. You want an Engineer who not only can provide measurable results, but a candidate with extensive technical skills and knowledge of many programming languages and development applications. I am a candidate who will bring all of your job requirements to the table.

I realize you may not yet be at the interview stage, but I am more than happy to answer any preliminary questions you may have, and I can be reached at (310)-123-4567 or kenkamikaze@hotmail.com. Thank you for your time and kind consideration.

Yours sincerely

Ken Kamikaze"

この文面はかなりgeneralなので大抵の応募内容に送れる。日付とポジション名を変更するだけでよい。件名は"Opportunities at 会社名"のようにした。応募内容に応じて、新たな段落を設けて追加したり、backgroundの後に"in C/C++, Linux, and Windows"のようにスキル名を追加してもよい。次に、送付先だが、俺の場合会社のホームページを隈なく探してメールアドレスを探した。Careerのサイトにリクルーターのメアドが記載されている会社もあれば、汎用的なメアド、入力フォームがあったりする。Career用のものがベストだが、なければしょうがない。駄目元で汎用メアドに送ろう。「このメアドはキャリア用ではありません」と返信が来たり、シカトされたりするがどうせ現時点でレスポンスがないんだ、やらないよりマシだろう。俺はこのやり方を行きたい会社に網羅的にやって行った。


3-3-2. 電話

 こちらは俺達純日本人には敷居の高い技だ。普通に英語で電話するのですらままならないのに、一体どうやって「仕事くれ」と言うんだ?しかし、アメリカ人達にはこれが出来る。彼らは直接電話することで向き合って対話し、こっちのやる気を伝えるんだ、と考えている。そしてそれは確かに正しい。よっぽど際立った学歴・職歴でもない限り、毎日膨大な量の履歴書に悩まされるHRが俺達の月並みな履歴書を見て連絡を取ってくる可能性は低い。そこで直接話すことで俺達の履歴書をまずは見てもらうのだ。その上でやっぱり彼らの期待に添えないなら諦めろ。まずは試してみろ。Direct Callingの重要性は"○○"という本に詳しい。参考になるから読んでみると良い。エラそうに言う俺はでは試したのかというと実はIntuit一社にしか試していない。代表に電話し、「7/18にエンジニアに応募したのだが、連絡がない。hiring managerに繋いでもらえないだろうか」と伝えた。すると案の定、「それは出来ない。応募したのならマッチすればこちらから連絡がある。hiring managerには繋げない。とにかく待て。」と言われる。アメリカ人ならあの手この手を使って交渉するのだろうが、俺には大した話術は出来ない。という訳で簡単に玉砕。中小企業ならまだしも、大企業の、それも代表電話にかけたってこう言われるのが関の山だな、という気がする。恐らく、最も良いのはネットワーキングやLinkedInを使用して直接hiring managerを特定し、直接彼に電話することだ。ネットワーキングについては後述する。しかし、トライしてみることはどんなことであっても価値がある。俺みたいなチキンでないあなたは、気合を入れてローラー作戦的に電話をかけまくってくれ。それが成功と失敗の違いをつくる一手になる。


3-4. 並行してやるべきこと

 基本的には家にこもって求人サイトと格闘したりリクルーターと電話で喋ったり、という日々を過ごす訳だが、他にもやるべきことはたくさんある。


3-4-1. 就職本を読む

 昔日本で就職活動していた頃は多少就職本なるものを読んだ。面接でどう聞かれたらどう答えるかなどが書かれていて、こんなことまでマニュアル化するのは日本人だけではないのか、と思ったものだったがそんなことは全然ない。アメリカでも同じだ。アメリカ人の印象をブチ壊されるくらいにマニュアルがある。「服装は地味目のスーツでいくこと。色はチャコールグレーが望ましい、ファッショナブルな格好は控えろ、ピアスなど言語道断」、「面接でこう聞かれたらこう答えろ、こういうことは絶対に聞くな」「面接を想定した質問と回答集を作成し、丸暗記しろ、鏡に向かって読み上げて練習しろ」、「面接官と食事するときはこーいうもんは食うな、値段はこんくらい」といった内容が書かれている。個性とか人と違う独自性を許容する文化と裏腹に、とにかく一辺倒にこーしろ、あーしろという作法がある。本屋に行けば無数の本が並んでいるが書かれていることは共通点が多い。時間のあるときにこれらの本を読みあさること。読めば読む程、ビジネスメールや面接時に自分の振舞い方が何となくわかってくる。電話面接や対人面接で相手が言ってくる内容に対しても予測が出来るようになる。ある程度の杓子定規を持っていなければ、礼儀作法を知らない外国人で終わってしまう。俺は就職活動を本格的に始める前から大学の本屋の就職本コーナーで片っ端から読みあさっていた。そして、就職活動を始めてからも何度か本屋に赴き、朝から晩までたっぷり一日かけて片っ端から速読して行った。精読する必要はない。「大体」のアイデアがわかればいい。アメリカ人の常識を知ろう。日米の考え方の違いを肌で感じよう。


3-4-2. ネットワーキング

 アメリカで就職活動をするなら、一度はこの言葉を聞いたことがあるだろう。日本ではコネといえばネガティブなイメージがあるが、ここアメリカではとてもポジティブだ。日本でいうコネの場合、「たまたま」知り合いや親戚、家族にお偉いさんがいて、その縁故で実力なしでも入社してしまうずるいやり方、みたいなイメージがあるが、アメリカではネットワークも自分で築き上げるものであって、故に全うな能力と見なされる。アメリカ人だって誰しもが社交的な訳でなく、「ゴースト」と呼ばれる誰ともコミュニケーションの取れない奴だっている。大阪人だって全員オモロいじゃないだろ?俺達エンジニアはそうでもないが、ビジネススクールに行く奴なんかはしょっちゅうこういうイベントをやっていて、行くと挨拶もそこそこにまるで随分前から知り合いだったかのようにトークして、次から次へと浅くて表面的な人脈をつくっていく。純日本人は概して語学の問題とコミュニケーションスタイルの違いもあってあまり快適に感じないようだ。俺はビジネススクールではなかったから、所謂ネットワーキングの場に行った事はないが、行ったとしてもあまり快適に感じない気がする。ここでは、俺なりのネットワーキングに対する見解を述べておく。結論から言うとネットワーキングなる代物と向かい合わなくても就職活動は出来る。第一に、我々がまずビジネスでなく技術で戦うからだ。俺の場合、狙いどころのキーワードは「日本語」「Java」だ。どんだけ人脈が広くても、日本語が喋れなくては彼らの要求を満たせないし、Javaが出来なくてはプログラムも書けない。技術職である以上、必ず技術面接がある。これに通るにはあなたは技術が出来る必要がある。ネットワーキングではないのだ。第二に、俺達には時間がない。卒業後就職活動をする為にアメリカに滞在出来る時間は90日だ。限られた時間で大したネットワークなど築けようもない。キミがトップスクールのPhDやMBAであれば在学中から既にある程度のネットワークがあったはずだ。そうでない俺達のようなカスの現実的な路線は、一旦アメリカ企業に入社し、時間をかけて人脈をつくっていくことだ。では何もしないということか。いやそうではない。何度も言うが出来ることは何でもやろう。何もネットワークのイベントに顔を出すことだけがネットワーキングではない。家にいながらしてパソコンをベースに多少のことは出来なくもない。俺がやったのは、以下の二つだ。


3-4-2-1. LinkedIn

 Facebookと同じくSNSだ。大きな違いは、こっちはビジネスに特化している。だから、アホなコメントとかはしてはいけない。プロフィールも、好きな音楽とか趣味とかでなくて履歴書のように記述する。早速登録しよう。次に学校のクラスメートや前の会社での同僚など探してコネクションに追加していこう。それから会社や学校には大抵グループがある。とりあえず加入して知っている人がいないか探そう。もし知り合いに行きたい会社へのコネクションがあれば紹介してもらう、hiring managerの名前を聞く、等々選択肢は広がる。またLinkedInにはJob Boardの機能もある。俺の場合、リクルーターの方からコネクションに追加してくれたのでLinkedInのメッセージ機能を使って連絡を取ってみた。結果は「残念ながらいずれのオープニングにも関わっていない」とのことだったが、いくつかアドバイスをくれたし駄目元でもやった価値はあった。

"Dear Will,

My name is Ken, I am currently unemployed and was wondering if you can spare some of your time to give me some advice.

I used to work for ABC Limited, in Tokyo Japan as a Systems Engineer for 7 years. Currently, I would like to work for a well-known company, such as IBM, Yahoo, Microsoft, all of which are currently hiring Japanese fluent engineers, so I applied for them a month ago however I have had no response from them yet.

My friends suggested to me that I talk to headhunters or recruiters and ask for their help. I see that you are a well established recruitment consultant in your respective field. Do you have any advice for me to get a hook into these companies?

If you have any questions, I can be reached at (310)-123-4567 or kenkamikaze@hotmail.com. Thank you for your time and I am looking forward to hearing from you.

Sincerely,


Ken Kamikaze"

それから、直接行きたい会社を検索し、そのHRの人を見つけて直接メッセージを送ったりもした。予想通り返信はなかったが、とにかくやれることは駄目元でやろう。


3-4-2-2. 大学の卒業生ネットワーク

 卒業した大学に卒業生ネットワークのシステムが存在するならば活用しよう。シカゴ大には卒業生を名前や会社名で検索出来るシステムがある。それは何の為のシステムって卒業生に連絡を取って会って会社のことを聞いたり運がよければリファレンスになってもらったり要はネットワーキングのシステムである。そこで早速俺は行きたい会社名で検索。さすがシカゴ大だ。シリコンバレーの有名企業にはシカゴ大の卒業生がわんさかいる。驚くのはIT企業なのにヒットする卒業生のほとんどがビジネススクール出身というところだ。シカゴ大のコンピュータサイエンス修士は糞だが、ビジネススクールは世界でもトップクラスなのだ。ヤフー、マイクロソフト、IBM、オラクル、シスコ。。有名企業には必ずシカゴ大卒の日本人もいる。そこで俺は日本人、アメリカ人問わず行きたい会社数社にいる卒業生にメールを送ってみた。結果的には、ほとんどのアメリカ人からはレスポンスがなく、返信があったのは日本人の方々だった。もう退職されていたりもしたが、ヤフー、IBM、オラクルについて会社のことを聞いたり、就職活動のアドバイスをもらったりした。そして就職活動を続けるにあたって疑問が沸いたときには質問し、相談に乗ってもらった。そういう意味で、俺に取って卒業生ネットワークはとても有益なものとなった。


3-4-3. ジョブフェアーに参加する

 ジョブフェアーにもきちんとアンテナを張っておき、積極的に参加しよう。


3-4-3-1. 大学主催のジョブフェアー

 必ず出席すること。キミが大学生ならではの利点だ。シカゴ大では学期毎にジョブフェアーが開催されるが、秋のものは大きく、170社もの企業がリクルーティングにやって来る。2008年秋にはマイクロソフトも来ており、クラスメートの北京大学の女の子は軽々と内定を取ってしまった。卒業後の今は既にシアトルのマイクロソフト本社で働いている。彼女は信じられない程頭がよくクラスでも抜きん出ていたので頷ける。それ以外ではシリコンバレーの超有名企業は来ていなかった。シカゴ大の情報工学はイケていないからだろうがキミの大学が工学で有名な学校ならジョブフェアーはもっと実りの多いものになるだろう。俺は履歴書を20通程渡して回ったが、どこからも連絡はなかった。在学中に作成した当時の俺の履歴書はまだ糞だったからだと思う。


3-4-3-2. 米系ジョブフェアー

 俺のように日々の授業についていくのにいっぱいいっぱいで在学中に一切就職活動する余裕の無かった人は、卒業してからでもいい。アメリカには誰でも参加出来るジョブフェアーを主催している団体がたくさんある。まずは求人サイトにジョブフェアー情報も掲載しているものなので、たまにチェックして、近くで開催しているようなら参加しよう。例えばDiceにはTargeted Job Fairsというサイトが連携しているし、Monster.comではKeep America Working Tourとサイトと提携している(新たに登録作業が必要)。CareerBuilderにも一応ある。求人サイト以外でも俺が使っているところではLocal Hiresというサイトがある。これはローカル志向で、都市毎にサイトが存在する。ジョブフェアーのサイトという訳でもなくて仕事を検索することも出来るのだが、ジョブフェアーとしての存在意義の方が高い。俺はロサンゼルスとベイエリアのジョブフェアーは随時チェックしていた。俺が行ったのは、ロスのGlendaleで開催されたMonster.comのジョブフェアー。22社が参加していた。日本人らしき人は皆無だったが、アメリカ人に紛れて戦おう。仕事探しだけでなく、得るものはあるはずだ。例えば、Monster.comの社員が履歴書の書き方、面接の心得など45分のプレゼンをやっていて参考になったし、求職者とも知り合いになれ、多少情報交換が出来た。


3-4-3-3. 日系ジョブフェアー

 留学生なら誰でも知っている有名どころはDISCOインターナショナルの主催するキャリアフォーラムだ。秋に開催されるボストンが最大だが他にもロス、東京、ロンドンでも開催している。勘違いしてはならないのは、ここで募集している大半は基本的に勤務地は日本であるということだ。アメリカで働きたい、米系企業で勝負したいのならばこのイベントを人生の一大事みたいに意識する必要はない。海外勤務の仕事は多少存在するが、別にこの場で探すことに大した意味はない。もっと全体のジョブマーケットを視野に入れるべきだ。アメリカの求人サイトと戦わずして海外勤務の案件をここで探すだけでは視野が狭過ぎる。現にキャリアフォーラムで見かけたアメリカ企業、アメリカ勤務、日本語要の案件はアメリカのジョブマーケットを検索しているうちに既に知っていた。もしキミが新卒で、純日本人で、アメリカに骨を埋める覚悟がまだないのならば日本で経験を積むことはいいことだから、ボストンキャリアフォーラムは貴重な機会になるだろう。アメリカと違って残業も半端ない日本では会社がしっかり鍛えてくれる。アメリカに行くのは数年後でも遅くは無いはずだ。逆に、最初から海外で経験を積んでしまうと日本の独特な企業文化に後から馴染むことは難しいだろう。ちなみにこのサイトは基本的に俺みたいに一旦日本で経験を積んだ純日本人を対象にしているからよろしく。ちなみに、俺自身はボストンキャリアフォーラムに行ったことがなかったので経験として様子を見るために、またアメリカ各地で留学している友達に会いに行くというだけの目的で2008年に行ってみた。いい見聞になったと思う。


3-4-4. 大学のキャリアサイト

 大学にキャリア用のサイトがあるなら利用しよう。シカゴ大には主に在校生がパートタイムの仕事を探す為のサイトの他に、卒業後にフルタイムで働く機会を与えるサイトが存在する。基本的に地元企業が多いが、これらの仕事は求人サイトには掲載されていないものばかりだ。その大学出身であることによる優位性がある以上、応募して損はない。俺はシカゴというロケーションに一切興味は無かったが、若干カリフォルニアやニューヨークもあった為、エンジニア職には全て応募した。結果的にどこからも連絡は無かったが、試したことに価値がある。地元案件に興味がなかったとしても、面接の練習、アメリカの選考プロセスを学ぶ、という姿勢で臨むこと。


3-4-5. 大学のキャリア支援窓口

 キミの大学にキャリア支援の窓口があれば利用しよう。シカゴ大には学部を問わず誰でも利用出来るCAPS(Career Advising & Planning Services)というサービスがある。また、俺のコンピュータサイエンスプログラムのAdmissionには就職支援をやっている女性がいた。もしシカゴ大学に仕事の紹介があればメーリングリストに転送して来てくれる。大した仕事が回ってきたことはないが、どんな機会でも情報はあればあるほどよい。利用出来るものはすること。ちなみに俺の場合、Admissionの女性には履歴書の批評をお願いし、CAPSには給与交渉のやり方について相談した。過度の期待は出来ないが、コミュニケーションするだけでも何かしら学ぶことはあるだろう。


3-4-6. Job Alert

 求人サイト、行きたい会社のホームページでJob Alertを設定しておくこと。これは自分の希望にマッチした仕事が掲載されたときに自動的にメールで通知してくれるサービスだ。大抵のサイトではキーワードを登録出来る。俺の場合、全ての求人サイトと、第一志望から第三志望の会社のうちJob Alert機能があるところについては全て"Japanese"で登録している。これは仮に仕事をゲットしたとしても、常にいい機会があれば転職を狙うアメリカ社会では必須の機能だ。現在仕事があったとしても常に機会にアンテナを張っておくことが重要なのだ。チャンスを逃さない事。


3-4-7. 日本の転職サイト

 日系の人材会社に登録した後、俺は更に日本にある転職サイトにも登録した。これらは基本的に日本にいる人を対象としたものなので俺達のように現在アメリカにいる人達が使うものではないが、あらゆる可能性は追求しよう。英文の履歴書をアップすることも出来るし、勤務地を「アメリカ合衆国」とか「海外」にのみチェックしていればそれに応じた内容の仕事の情報が送られてくる。現に俺の場合は数名のリクルーター、ヘッドハンターから連絡があり、個人的なコネクションがある、とシリコンバレーのIT企業に当たってくれた。他にも、アメリカを代表するIT企業の日本法人の紹介をしてくれたりもした。日本法人に就職した後に海外への転勤を狙うのが現実的、というアドバイスもくれた。紹介された案件は仕事内容的にも待遇的にも良かった。俺がもしアメリカ企業から内定を貰えなかったならば帰国してこの方法を模索しただろう。だから、駄目元でやってみることをお勧めする。代表的なところでは、リクナビNEXTやエンジャパンだろう。


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